幼少期
幼少期のできごとに関しては断片的ながらも強烈に覚えてることがいくつかある。
理由は覚えていないがとにかくよく泣く子どもだったため、泣き出す度母に外に締め出された。
雨の日も、雪の日も。
冬でも上着も着させてもらえず靴も履かせてもらえず、四肢末端が粉々になってしまうのではないかと思うほどに痛かった。
夜になれば引きずられながら家に入れてもらえるのだが。
殴る蹴るは日常茶飯事。
両親ともに機嫌が悪くなると当たり散らされるため毎日が恐怖との戦いだった。
(のちにクレヨンしんちゃんに出てくるネネちゃんの"憂さ晴らしうさぎ"を見て親近感が湧いた。)
父の怒鳴り声は社会人になって一人暮らしをしている今でも夢に出てきて冷や汗をかきながら目を覚ますこともしばしばある。
おねしょをしてしまった日には抵抗も虚しく全裸にされ、車で30分ほど走ったところにある山の中においてきぼりにされることもあった。
走っても、追いつけなかった。
あまり下手に動いたら田舎とはいえ誰かに見られてしまうかも。
そして何より、そのうち迎えに来てくれるであろう両親に見つけてもらえなくなってしまう。
草むらの影に隠れて待ち続けた。
ただひたすらに待つしかなかった。
ごめんなさい、ごめんなさい、と泣きながら。
おなかがすいてものどが渇いても仕方がない、私が悪い。
おねしょをしてしまったのだから。
泣いてもどうしようもないのに涙は止まらず。
生き地獄
虫が、怖かったな。